「おもしろく診療報酬を読もう」とはいっても、このブログを読んでくださっている方は入社当時の私のようにこんな悩みを抱えている方もいらっしゃるかと思います。
そもそも医療事務って何をしているの?診療報酬ってつまりなんなの?
医療事務の仕事は大きく分けて2つに分類されます。
- 窓口業務:患者の受付・会計を行う
- 保険請求業務:診療費の計算およびレセプト(診療報酬明細書)を作成し、請求する
診療報酬は、保険請求業務に必要となるものです。詳しくみていきましょう。
診療報酬は医事業務を遂行するうえで必要なもの
窓口業務はみなさんも想像がしやすいと思います。受診の受付とお会計をする業務ですね。窓口業務では診療報酬は直接関連はありません。
保険請求業務では、まず患者に提供した医療サービスの値段(診療費)を計算します。みなさんはこの診療費に医療費の一部負担割合をかけたものを支払っていますね。この医療サービスの値段を決めるルールが診療報酬です。
診療報酬とは医療サービスの値段を決めるルール
病院やクリニックが患者に提供する医療サービスの値段は、全国一律で細かく金額が決められています。医療機関はこれに則り請求を行い、提供した医療サービスの報酬を受け取ります。
例えば、出先で体調が悪くなってしまったとき。初めて受診する医療機関では、いつも行っているところよりも窓口で支払う金額が高いな、と感じたことはありませんか?
これは、患者が初めて受診したのか(初診)、継続して通っているのか(再診)などで医療サービスの値段が異なるからです。
このように診療報酬では様々な診療行為に対する点数が決められており、1点=10円で計算されます。これに、医療費の一部負担(自己負担)割合(医療費の1割〜3割)をかけて算出した金額を患者は窓口で支払います。残りの7割〜9割は、医療機関が審査支払機関に請求し、報酬を受け取ります。審査支払機関については次項で説明します。
保険請求業務とは報酬をもらうために請求を行うこと
診療報酬がどんなものかはなんとなく理解いただけたかと思います。続いて保険請求業務の基本的な部分を説明します。
保険請求業務は「診療費の計算および診療報酬明細書(レセプト)を作成し、患者および審査支払機関請求する」ことだとご紹介しました。要は「かかったコストを計算して専用の請求書に記録して然るべきところに請求する」ということです。
かかったコストを計算するときに診療報酬の出番だね!でも、手で計算するの・・・?
点数計算やレセプト記録は、基本的にレセプトコンピュータを使用します!
分厚い診療報酬点数本から該当の診療行為を探して点数計算して・・なんてしてたら請求ができる気がしませんね。点数の計算やレセプト記録を行ってくれるコンピュータがレセコン(レセプトコンピュータ)です。レセプトを作成するためのコンピュータまたはソフトウェアを指します。電子カルテでカルテを作り、レセコンで点数計算やレセプト作成を行います。
- 電子カルテで医師が診療録を作成。診療報酬で決められた点数の項目を登録する。
- レセコンで会計およびレセプトの作成。
- 審査支払機関へ請求。
審査支払機関は、医療機関が提出した診療報酬明細書(レセプト)の内容が診療報酬に沿っているか?記載すべき事項の漏れが無いか?などを審査して、報酬を医療機関に払います。審査の結果不適切な記録があると判断された場合、査定されてしまい、受け取れる報酬が減額されてしまったりします。また請求書の出し直しを指示されることもあります。
診療報酬明細書は通称”レセプト”といわれます。こちらのほうが言いやすいですね。
ちなみに語源はドイツ語の”Rezept”(処方箋、という意味)です。
まとめ
医事業務は窓口業務・保険請求業務に大きく分類され、そのうちの保険請求業務で重要となるのが診療報酬です。診療報酬は医療サービスの値段を決めるルールです。
保険請求業務では診療報酬に則り診療費の計算を行い、レセプトを作成して審査支払機関へ請求をします。
医事業務の業務内容が少しイメージできたのではないでしょうか。次の記事ではもう少し具体的に保険請求業務をご紹介したいと思っています。
ではまた。
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